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夏コミ続報…無料ペーパーは2種類!

 お暑うございます。
 さて既報のとおり、夏コミは3日目「の-10a」です。

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★コミックマーケット82(夏コミ)正式予告
 日時:8月12日(日)10:00~16:00
 場所:東京ビッグサイト
 (りんかい線「国際展示場」・ゆりかもめ「国際展示場正門」)
 ブース:の-10a(西1ホール)

◇新刊
 短編「帰る夏」…"最新刊・発行予定作品のご紹介"をご覧ください。すでに脱稿し、編集作業も終了しました。
 個人的なことで一部の読者各位にご心配をお掛けしましたが、無事に生きております。
 上手下手はさておき、開き直って「しんどい時だからこそ描ける世界」を書き切れたと思ってます。

◇無料ペーパー
 当サークルの電子書籍(作品無料公開)情報…これは恒例のヤツです。
 加えて今回は、新刊の挿絵師さんである女流漫画家・岡崎シゲル氏のペーパーも配布。
 近々同人活動を再開されるとのこと。同氏のファンの皆様もお気軽にお立ち寄りください。

眼鏡時空御礼&夏コミ当選

 5/26の「眼鏡時空8」、ありがとうございました。
 2時間半という短めの開催時間とはいえ、会場はまさかの始終大盛況。
 当サークルの方も、規模相応に持参した在庫が小一時間で尽きかけてしまい、自宅から徒歩10分という地の利を活かして(笑)追加仕入れというハプニングに。
 終わってみれば結局、最新刊もペーパーも先月の大イベント・文学フリマと同じぐらいハケてました。
「眼鏡、おそるべし」
 後で聞いたところでは、参加サークルも予定数を上回り、急きょスペースを追加したとか。
 今後も伸びそうな当イベントを、皆さんもご注目あれ。

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 さて。
 コミックマーケット82(夏コミ)、当選しました。
 新嘲文庫としては8度目の夏、そして通算15回目のコミケになります。

★日時:8月12日(日=3日目)
★ブース:の-10a(西館)

 もちろん新刊は出しますが、諸事情により分量は少なめになります。
 逆転の発想で、「ひさびさの手軽でリーズナブルな新刊」だと思っていただければ(苦笑)。
 加えて、ペーパーや電子書籍での旧作公開を充実させる予定もございます。
 いずれにせよ詳細は、7月中旬までお待ちください。

「眼鏡時空8」詳細予告

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先日参加予告をした、眼鏡キャラオンリーイベント「眼鏡時空8」の詳細です。

日時:5月26日(土)18:00~20:30
会場:大田区産業プラザ「Pio」1階A・B会議室
(京浜急行「京急蒲田」至近/JR・東急「蒲田」より徒歩約12分)
ブース番号:22

 イベントの性質上、眼鏡キャラをヒロインにした以下の近作のみ頒布させていただきます。
★「つばめと彼と隼」
★「夢の途中」
★趣旨に添った無料ペーパー1種類
 ただし他の在庫も1~2冊ずつ携えておりますので、気になる方はお声をお掛け下さい。

 午後開始、そして翌日が休日という夜型気味な社会人に優しいイベントを、同類の皆様ぜひ応援して下さいませ。
 当サークルの損得抜きで、よろしくお願いする次第です。

文フリ御礼&次回は5/26「眼鏡時空」

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 5/6の「第14回文学フリマ」、お疲れ様でした。
 間借り先のさる方のご尽力もあって、間借りとは思えない売上を記録。
 そして間借りゆえの気楽さから、史上最高にお買い物や交流が楽しめた文フリになりました。
 ブースをお借りした「ゆとり世代部」の皆様&その合体相手の「Ideal Books」の皆様。
 隣近所で仲良くして下さった「書肆言葉言葉言葉」「練馬言葉力研究所」の皆様。
 そして、お越しいただいたすべての皆様に感謝です。ありがとうございました!

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 さて、次回が夏コミ前最後のイベント参加。
(夏コミ落ちたら今年度上半期最後のイベントなわけですが…笑)
 2月にお伝えした「あの」イベントに申し込んでみました。

 眼鏡キャラオンリーイベント「眼鏡時空8」

 大田区産業プラザ「Pio」はまあ定番として、
 5月26日(土)という土曜開催も同人誌即売会としては異例ならば、
 時間も18:00~という異例ずくめのイベント。

 近作で続けて眼鏡っ娘をヒロインにしたのもさることながら、この異例さも参加の動機です。
★翌日が勤務日じゃないイベント。
★そして電力問題が話題になるさなか、日中の電力需要ピークを外した社会に優しいイベント。
 …ぜひ、後を追うイベントが現れてほしい!と思いつつ。

5/6・文学フリマは委託参加です

「第十四回文学フリマ」出展情報】

 お知らせが遅くなりました。

★日時:5月6日(日)11:00~16:00
★場所:東京流通センター 第二展示場
 (東京モノレール「流通センター」至近)
★ブース位置:エ-39「ゆとり世代部」

 委託参加につきラインナップは、「つばめと彼と隼」・「夢の途中」、それに無料の小冊子1種類のみとなります。
 なお委託と言いつつ田島本人もその場にいたりします。要は軒を拝借してる状態(笑)。都合により不参加のはずが申込終了後に参加可能になったため、このような形態になりました。

 ブースの主「ゆとり世代部」は、前回は逆に当サークルを間借りしていた評論系のサークルさん。
 知る人ぞ知る、「サボイ」という挑戦・冒険系(?)の面白い雑誌を出されています。そちらを目当てにぜひ。

「そうさく畑66」御礼&神戸散歩

 4/1の「そうさく畑66」、ありがとうございました。
 当ブースにいらしていただいた皆さん、そして買い物や交流を楽しませて下さった他ブースの皆様にも感謝です!

 会場入口の真ん前という微妙な(笑)配置ながら、当ブースも順調でした。
 3刷を数えたロングセラー『ハイケンスのセレナーデ』、ついに完売。舞台である寝台特急「日本海」廃止とともに…。
 その他の既刊も、最新刊ともう1種類を残して"残部僅少"に。
 まさか、二番目に新しい『夢の途中』までが残り10部を切るとは…感謝感激です。

 次回は5/6「文学フリマ」ですが、都合により今回は委託参加になります。詳細は追って。

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 さて、そうさく畑参加の真の目的=神戸旅行(ぉぃ)。
 前夜の宿はもちろん、昨年のこの記事で紹介した温泉カプセル。
 そして今年のイベント終了後は、往復割引めあてで明石まで買った切符(※1)を実際に明石まで使用。

 小休止してから午後4時過ぎに、前夜に途中下車した三ノ宮駅に入場。
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 三ノ宮~兵庫までは戦前からの高架駅。
 ホームの屋根の他、高架下の駅構内に古い造りが残るのも魅力。
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 元町、神戸と各駅で途中下車。
 大都会の駅にして間近に山が見える風景を楽しむ(写真は神戸駅にて)。列車も特急や貨物列車を含めて多彩。
 気がつくと午後5時半を回っている。新快速で西へ。
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 須磨の先から垂水の手前、垂水の先から朝霧の手前まで間近に海が見え続ける。遮るものがない中、対岸には泉州の山や淡路島の緑も。
 三ノ宮から十数分、大阪からでも四十分。次回はこのへんで降りてみようか…。
 東京の通勤圏にこんな場所はない。根府川付近で海は見えるが、一瞬だし東京から一時間半はかかる。
 同じ大都市圏なのに神様は不公平だと小一時間(笑)。

 明石は、着いたらもう残り時間がなく、何の変哲もない郊外駅の眺めしか見られなかったので割愛。

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 明石からは帰りの切符を使用。新神戸へ行くべく三ノ宮で途中下車(※2)すると、早くも6時半前。
 ただ往復したら1時間もかからない行程だったのだが…日が長く、そして阪急電車の見える景色がうれしい。
 帰りの新幹線まで2時間少々。阪急のガード沿いに歩いていく。
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 ガードの向かい側は飲み屋街。それが尽きるやや手前の地下に、海鮮メインの居酒屋(名前を控え忘れた…汗)。
 鮪のなめろう、鮪の竜田揚げ、鮪のメンチカツ、鮪のチャーシュー(日本語が変だろ)…と、鮪の変わり料理が売りだった。
 メンチカツ(写真)やチャーシューは見た目も食べでも肉料理そのもの。でもたしかに魚の味がして、そしてカロリー表示を見ると大変ヘルシー。
 まあヘルシーといっても、このあとラーメン食べたりするので意味半減なのだが(笑)。
 そして地下鉄で新神戸へ行き、新幹線に乗り、来年は明石でたこ焼きを…などと思いながら眠りにつく。
 もちろん、そんな機会を与えてくれる「そうさく畑」にも感謝しつつ。


(※1)
 往復同一経路・片道あたり600キロ超の乗車券を往復で買うと、往復とも各1割引になる。
 東京都区内発だと明石が600キロ超の最初の駅になり、明石まで往復で買った方が、大阪市内や神戸市内まで普通に切符を買うより若干だが安くなる。
(※2)
 新神戸・三ノ宮は約2キロ離れた別の駅だが、神戸市内を経由する乗車券の場合は、一方で途中下車して他方に乗り換えられる。
 神戸市内が目的地の乗車券でも同じだが、自動改札だと下車時に回収されちゃうので有人改札へ。

「そうさく畑」詳細+とある一周旅行後編

【「そうさく畑66」参加情報確定版】
 
日時=4月1日(日)11:30~15:30
場所=神戸サンボーホール
 (JR「三ノ宮」および阪神・阪急・地下鉄「三宮」より徒歩約12分
  ポートライナー「貿易センター」より至近)
ブース=6丁目12番地

 そうさく畑での新刊は以下の3点です。
★ペーパー兼用の無料配布作品:『園芸戦記』
★山陰発のコメディ:『つばめと彼と隼』
★京都発の少しレトロな本格小説:『夢の途中』
 …要は冬コミと同じラインナップですが、既刊の古い方は残り数冊です。作品紹介をご覧になって気になった方はぜひお早めに。
 年に一度の関西イベント。こちらも楽しみにしております。
 それでは当日まで、下記の駄文「とある一周旅行・後編」をお楽しみ下さい。

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(前回より続く)
(なお「日本海」車中の写真はランダムイメージで、記述の時刻・区間とは無関係です)

 
 結局、1時間以上が過ぎてから、
「いったん、次の大釈迦駅まで運転します」
 という実に心細い案内が流れ、列車はようやく動き出した。
 唱歌の『夜汽車』が似合うような速度でしずしずと走り、次の駅に進入。二本のレールとホームの断面以外のすべてが白い塊に覆われ、そこへさらに雪が降り注ぐ。
 なるほど、ポイントも動かなくなるだろう…といった感じだ。
 ただ、案内に反して止まることなく駅を通過し、あとは軽やかな走りに。津軽平野に出て眺めが広がったせいか、積雪も「重症」といった風には見えなくなった。
 弘前到着。駅の時計は21:43で、ちょうど1時間30分遅れだと知る。それでもホームには少なからぬ乗客がいた。
 向かいの下段に帰省から戻る学生らしき若者が来て、寝台側の窓越しに家族との別れを惜しむ。

「…すでにお休みの方もいらっしゃいますので、緊急の場合を除き、この放送をもちまして、今晩のご案内は終了させていただきます…」
 秋田・青森県境付近、普段より100kmほど手前で案内放送終了。この先の到着予定を定刻で案内するのは仕方がないとして、
「車内販売は、今晩はございません」
 いつもは福井から乗車する旨を知らせるはずなのだが、なぜか意味深長なフレーズに。
 そして寝台側の電気が消え、通路側の蛍光灯が減光した。
 
 大館、鷹ノ巣、東能代、秋田…以降も待ちくたびれただろう客を拾いながら列車は先を急ぐが、遅れは1時間半のまま。
 秋田県に入るあたりから複線区間も出現するものの、新潟県北部まで基本は単線で、予定外の行き違い待ちが入ったりするからだ。
 仕事じゃないとはいえ私にも翌日以降の行程というものがあり、気がかりではある。

 ただ、気がかりではありつつも、夜行列車に揺られていることに無邪気にワクワクしている。
 
 なぜならこの一周旅行は、東京在住の私が「日本海」に惜別乗車するには…という思案から生まれたからだ。
「乗車券だけで18,000円か…」
 券面の金額を見ると自分の物好きさに溜め息が出るが、それほどに夜行列車が私は好きだ。
 というわけで、レールを踏む音を楽しみつつ本を読むのに飽きると、窓際に行ったりデッキに出たり、はたまた隣のA寝台の喫煙ボックス席まで出かけたりするいい年の大人。
「こちら9号車。オーライです」
 デッキを通ると、ドアを閉め、首を引っ込めた車掌が受話器でもう一人と話している。
 本日は2両増しの11両編成。編成が長いとこんな確認をするのか…レアな見聞に心が躍る。

 

 青森~大阪というルートは私には縁遠いのだが、それでも上下合わせて過去に3回ほど、この「日本海」に揺られている。
 しかしそれでも、というか、それだけに名残惜しかった。
 この列車には、拙作『ハイケンスのセレナーデ』(題名はもちろん案内放送のオルゴールから拝借)も生み出させてもらった。弱小個人誌なりに好評を得て、自分の制作スタイルを確立できた一作だった。
 ちなみに三刷を数えたその本も、折しもこの春を以て完売予定だ。
 
 その小説でもそうなっていたが、最初の2回の乗車時には「1号」(大阪→青森)・「4号」(青森→大阪)という号数がついていた。
 つまり「2号・3号」と合わせた2往復体制が割に最近まで残っていたのだ。
 もちろん、この飛行機全盛の時代に青森~大阪15時間を乗り通す需要はそうないだろうけど、区間を限れば「飛行機の最終便より遅く出て、朝一番の便より早く着く」ゾーン、さらには飛行機と競合しないゾーンが割に幅広く存在する。
 特に、福井・石川両県の北陸線沿いには小松しか空港がない上に、小松~秋田・青森という便はない。
 そして、今残された「1号・4号」のダイヤはその「福井・石川~秋田・青森」に照準が合っている。この区間なら夜行高速バスや新幹線と競合することもない。
「JRも、やる気がないなりに考えたんだなあ…」
 だから今しばらくは残ると思っていて、再来年の北陸新幹線開業(直江津~金沢の在来線別会社化)あたりが潮時かと見立てていたのだが、ちょっと早かった。
 …まあ、もしかすると考えもへったくれもなく、たまたまこっちを残しただけかもしれない。

 日付が変わって小一時間もすると、満席の車内もさすがに静まり返っている。
「客車といえば、最後部からの展望!」
 それに思い至って後ろへ行ったら、上りの最後部は電源車なので行き止まり。
(前段落の最後部かぶりつき画像は以前に下りで撮影したもの)
 乗る前に見て分かってたのに、いつの間にか忘れていた。いや、逆に下り最後部が電源車だった「1号・4号」の頃とごっちゃになっている。
 いずれにせよ、さすがに私も寝ぼけてきたらしい。寝台に入ろう。
 
 酒田着1時半過ぎ(所定は0:01)、鶴岡着2時(同0:26)。
 駅は律儀に明かりを灯していたが、さすがにもう乗る客はいない。
 この先に、寝台側に海が見られる区間が続く。だが積雪は以北ほどじゃないものの、遠景は吹雪に霞んでいる。
 おのずと列車の足下に眼が向く。ポイントの通過音とともに隣に線路が現れ、向かいのホームが見え、灯りを落とした小さな駅を通過。
「あ………」
 複線区間だと思いこみ、上述の小説でそのように描いた場所が単線だったのに気づき、ひとり赤面する。
 赤面しつつもさすがに眠気が押してきて、いつしか眠った。
 新津から先は、信越線も北陸線も全部複線だ。そこで遅れは少なからず取り返せる…新潟県を前に湧いたその安心感も私を眠らせた。

 ハイケンスのオルゴールで眼が覚めると、朝一番の放送。
 
「皆様、おはようございます。皆様おはようございます。今日は1月8日、時刻は…」
 ダイヤどおりなら金沢発車後にあるべき放送だが、さて、信越線・北陸線でどれぐらい取り戻しただろうか…?
「列車は先ほど、2時間10分ほど遅れて糸魚川を発車しました。列車が遅れまして申し訳ございません」
 …取り戻すどころか広がってるじゃねーか!
 急ぐ人は手持ちの特急券・寝台券で富山から「サンダーバード」に乗れる、そのまま乗る人は下車駅で特急料金を払い戻す…といった案内が続く。
 そしてこの遅れのせいで、福井からの車内販売は中止とのこと。昨夜の意味深長な案内の訳を知る。
 
 何だよ…と思いつつも、異例の経験にワクワクする方が大きい。
 通路に出て、薄明かりが差す車窓のそばへ。事態の割に、通路にいる他の乗客も静かに座っているだけだった。デッキから車掌と乗客の会話が聞こえるものの、詰め寄るといった感じからはほど遠い。
「やっぱりみんな、急ぐ旅じゃないらしい」
 そう思いながらまた寝台へもぐり、レールを踏む音に意識をゆだねる。
 まだ富山県の東の外れだ。寝不足を補っても、列車を楽しむ時間は十分に取れるだろう…。

 …遅れどころか、冬場のこの列車は雪や風でちょくちょく運休する。
 奥羽線や羽越線自体は曲がりなりに運行可能な場合も、遅れが他の区間のダイヤを乱すのを避けるため、長距離を走る「日本海」や貨物列車だけは運休という場合もある。
 もちろん、羽越線自体が止まることも少なくない。
「冬はJRさんの仕事があるから、村上のタクシーは新潟市内より稼げるって言われててねぇ」
 以前、山形県境に近い新潟の町で、タクシーの運転手氏が言っていた。村上にはJRの乗務員の拠点があり、羽越線が止まると、酒田へ行ったまま戻れなくなった乗務員の出迎えの仕事が入るという。運転再開時の送り込みもタクシーの仕事だそうな。
 
 つまり、それが結構な稼ぎになるほど羽越線は止まり、一方で道路は常に守られているということだ。
 暮れの山陰旅行といい、鉄道は雪に弱くなった。
 いまや数少ない例外は、新幹線と大都市通勤圏。
 要は道路ともども、「一番必要とされている交通機関」なら是が非でも守るということで、悲しいかな、見ていてとても分かりやすい。

 
 気持ちよく目を覚ますと、福井駅を出るところだった。
 使った布団だけが残る寝台が、車内のそこかしこに見えた。やはり東北~北陸を連絡する手段として、そこそこ機能してきたということか。
 とはいえ乗り続けている客の方が多い。平均年齢は若く、くつろいだ感じ。帰省の帰りや惜別乗車で普段より増えた分の乗客だろう。毎日とは言わずとも、せめて週末ごとにこれぐらい乗っていれば…。
 そんなことを思ううちに速度が下がり、停車駅ではない武生に止まった。
「特急列車を先に通します。少々お待ち下さい」
 
 続いて、無線を使う声が車掌室から届く。えらく長話をしている。好奇心を起こしてデッキへ。
「…じゃあ、トワイライトのスジに乗せちゃう感じですか?…はいはい…」
 ちょうど、こんな会話が聞こえてきた。それを聞いて、見ようとしていた時計をしまう。札幌からの「トワイライトエクスプレス」は「日本海」の2時間半ほど後の列車で、要はその程度に遅れているわけだ。
「福井は所定で7:15頃だから、じゃあ今は10時前後ってとこか…それにしても、複線に入っても遅れは広がるばかりだなあ」
 閉じたままのドアの向こうを、大阪~金沢を3時間足らずで結ぶ「サンダーバード」のスマートな車両が猛スピードで通過した。
 続いて、名古屋行きの「しらさぎ」も。
 …こうやって遅れを広げてきたのだろう。こっちも特急なのだが、最高速度、そして重要度が違うから仕方がない。
 
 洗面所に寄ってから客室に戻る。武生を出ると外は雪に覆われた田園地帯になり、そして山が迫って平地が狭まっていく。
 増えたカーブを曲がるたびに列車の前方が見える。雪野原の中、自分を乗せた長い長い青色の客車の連なりを、くすんだ赤色の機関車が牽いている。その機関車が響かせる汽笛。
「これぞ、汽車だ」
 列車はサンダーバードより遅いなりに目一杯急いでいるのだが、それでも客車だとそう思えてしまう。

 長い北陸トンネルを駆け抜けると、まもなく敦賀。
 10:32着、結局2時間半ちょうどの遅れ。所定なら大阪に着いている時間で、乗車時間は15時間に及んだ。
 当駅で下車する旅程だから、荷物を持ってデッキへ行く。
「あ、敦賀で降りられるんですか?お疲れ様でした。駅で特急料金、払い戻して下さいね」
 頭を下げつつ車掌が声を掛けてくれる。当駅での下車客はあまり多くないらしい。
 が、「当駅で列車から出ようとする人」は多い。
 20分停車しての機関車交換。それが目当てだ。
 
 ドアが開くや、軽装で降り立った乗客がホーム上で交錯し、そして前方を目指す。
 こちらのメインはやはり「ホームに止まる客車」なのだが、ここまで人が多いとは想定外で、上写真は10回シャッター切ってやっと取れた一枚。
 
 そしてもちろん、ここでは前方も見に行く。さらに当駅下車の強みを生かして隣のホームへ。
 
 到着前から待ち構えていた人々も混ぜて、大道芸に人が集まるような大騒ぎ。その中に交替の機関車がゆっくり到着し、連結。
 
 やがてピィッと汽笛が鳴り、そのあと野球場のウェーブみたいな、時間差を伴った歓声が上がる。動き出したのに気づいた人から順に声を出すからで、長い客車列車はそれほど静かに発車し、ゆっくりと加速する。
  
 動き出してから上写真の位置に来るまで、1分以上かかった。11両の客車を機関車1両で引き出すのだから無理もなく、そしてその重厚な走り出しが長距離列車らしくていい。
 前出の小説『ハイケンスのセレナーデ』で、この鈍い走り出しを列車最後部の窓から描いたところ、ある若い読者から、
「加速中の列車からホームに立つ人の顔の特徴なんて見えるはずがない!主人公はどれだけ動体視力がすごいんだ?!」
 鼻息も荒くといった調子で、そんなご指摘を頂戴した。無理もないことで、車両や車内の様子は写真で後追いできても、そうした感覚は経験がなければ分からない。それは私が丁寧に描き続けて伝えて行くしかないのだけれど、
「そうしなければいけない時代になった」
 というのは淋しくもある。

 さて、次の行程である。
 別に切符を買って北陸トンネルの東側へ戻り、南今庄か今庄で雪景色と撮り鉄を…という予定だったが、その後のことを考えると、行っても向こうには1時間ほどしか滞在できない。
 仕方がないので、とりあえず構内を撮って歩く。
 
 屋根や標記類に古めかしい物が残る。エレベーター付きの跨線橋を建設中だが、完成後もホームに古いままの部分は残るようだ。
 そして11時過ぎに、駅の外へ。
 途中下車を告げて乗車券を出す。と、改札の若い女性駅員氏は神妙な顔になって、文字を指で追いながら20秒ばかり券面を確かめ続けた。
 お手数を掛けたが、生真面目そうなお嬢さんゆえ、よい勉強をしたと思ってくれていれば幸いだ。
 
 改築中の狭い駅舎前は、待ち合わせで大混雑。そりゃ「駅でね」って言って待ち合わせたら入口か改札の前になるわな。
 …その駅舎改築についての看板が駅前広場に【↓クリックで拡大表示】。
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 なかなかのセンスらしいけど、「平成22年度完成」って…間に合ってないじゃないですか。
 隣は北陸新幹線の建設促進【↓クリックで拡大表示】。
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 描かれてる車両がJR西日本にケンカ売ってる…並行在来線問題という課題を知らないのでしょうか(笑)。

 駅付近は、よく言えば小ぎれいで悪く言えばガランとしている。
 
 要はよくある「街の中心からやや離れた地方都市の駅前」。
 ただ、両側の歩道にチェーンではない食堂やレストランがチラホラ見え、土地の人がぼちぼち入っている。
 駅前通りに散在する「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」のキャラの石像を見て歩く。
 松本零士は福岡出身のはずだが…と思いきや、港と鉄道の町で売り出すべくご協力をいただいてるとのこと。でも、駅を出て最初に立ってるのがなんで佐渡酒造なんだろう…?
 ただ、早くも時間切れが近づき駆け足だったため、それらの写真は残念ながらない。
 次の予定とは食事。あとで駅弁という手もあるが、「日本海」の車販がなかったので朝飯抜きなのだ。
 
 駅を出て右手に「昔の駅前」みたいな一角があり、いかにも「駅前大衆食堂」な店が二軒ほど健在。うち駅に近い方へ。
 
 奮発して「お造り定食」1,200円。さすがは日本海岸でイカが絶品だった。
 なお、値段から中瓶だと思って気軽に頼んだビールは大瓶。
 しかも居合わせた十人ほどの中高年男性ご一行様と注ぎつ注がれつになり、昼からいい気分になってしまった。先方は「青春18きっぷ」で金沢から大阪へ帰る途中だとか。

 
 12時50分頃、次に乗る列車が着くホームへ。
 ほどなく隣のホームに、福井からの普通列車が着いた。
 
 が、2両編成の電車に人がこんなに入るのかというほど乗客がゾロゾロ降りてくる。
 その折り返しが来る場所にも、そして大阪方面の新快速が来る乗り場にも、人がホームの反対側まで届くほど並んでいた。
 当地の若者らしき人もいるにはいるが、荷物がやや大きめの人が多く、そして私服の地元高校生にしては年齢が高い。
「ああ、18きっぷか…」
 昼食の時のご一行様を思い出す。シーズンなのはもちろん、使用期間終了が二日後に迫っていた。
 もし予定どおり今庄の方へ行っていたら、私もあの阿鼻叫喚の普通列車に乗る羽目だったわけだ。それも往復で。

 定刻どおりの13時16分、「しらさぎ8号」に乗って敦賀を離れる(下の写真は別の機会に別の場所で撮ったもの)。
 特急は特急で帰省の戻りらしき親子連れが多いが、指定席に立ち客があふれてくるほどではない。
 
 …一周乗車券は、敦賀を出た時点でまだ500km以上も残っている。今夜の宿はどこなのか。
 深い山を越えて滋賀県に入り、車窓が平地になってしばらくすると、長浜という、琵琶湖沿いのいい町がある。
 が、そこでは降りない。
 それどころか、米原で方向転換に合わせて座席を動かした以外、私は座ったまま終点・名古屋まで行ってしまう(14:48着)。
 ただし、ここでおもむろに途中下車をする。今夜の観光先&宿は名古屋か…と思いきや、いきなりまず土産物を購入。
 なぜか土産物屋がことごとくデパートの初売り並みに混んでいたが、どうにか15分ほどで購入完了。
 そして、また改札に入ってしまう。その内側でさらに新幹線の改札を抜ける。
 15:40発「のぞみ234号」。もちろん上り。
 自宅に近いのは品川だが、より厳密に「一周」にするため、17:23に東京着。
 帰ってきてしまった。

 約29時間半で、本州東半分を一周。
 それも地上ゼロ泊。宿泊どころか、駅前より遠くへ行ったのは敦賀の約1時間だけ。
 さらに、普通列車に全く乗っていなかった。
 …達成感はないし、まして記録だなどと言って自慢する気はない。
「ああ、もったいない」
 それに尽きる。なにしろ乗車券は12日間使えたのだ。
 絶対真似しちゃいけない。仕事の都合がなければ私だって絶対やらない。
 ただ、「日本海」はよかった。
 寝台のある夜行列車は、定期列車と事実上の定期列車を合わせてまだ7本残るが、豪華個室や二階建て車両だったり、扉が普通の引き戸になっていたり、さらには電車だったりと、何かと手が加わっている。
 その意味で最後の「ただの寝台列車」。
 それをもう一度味わえたことは無意味じゃなく、そしてラッキーだった。
 このあと1月末から2月なかばにかけて、豪雪のため「日本海」はほぼ毎日運休し、多くの惜別乗車組が悔し涙を流した。なので、前に書いたとおり世間が暇な2月が忙しく、1月上旬に辛うじて隙間があった私は幸せだったのだ。

 忘れていた。「本日の駅弁」。
 
 敦賀駅「鯛鮨」(1,000円)。見た目よりも食べでがあり、味もしっかりしている。
 敦賀の駅弁は鯛・鯖・カニの寿司中心。ちらしもあったが、買った時は昼食直後だったもんで淡白そうなものを選択。

 …これを書き終えた時点で、「日本海」はすでに廃止されている。
 ただ、編成は短くなり、ダイヤもさらに遅くなるものの、旅行客向けの臨時列車としてハイシーズンに運転される。
 しかしこの春の運転日を見る限り、走るのはゴールデンウィークや暮れ正月といった超ハイシーズンだけらしい。
 なので競争率は高そうだが、機会があればぜひ「昔ながらの夜行列車」をご体験あれ。

(完)

とある一周旅行・前編

 くどいようですが、次回イベントは4/1、神戸の「そうさく畑」です。
 日付の予告ばかり繰り返してますが、次あたりでブースなどを明らかにできるのではないかと…。

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 思いつきで、こんなことしちゃいました【上写真はクリックで拡大表示】。 
 …といっても、しちゃったのは去る1月上旬のこと。前回書いたとおり2月以降にこんな真似できません。
 全長2,489km、そして12日間有効の一周乗車券。
 私はいったい、何日かけてどこをどう回るのやら…。

 
 1月7日の11:56、東京から東北新幹線「はやて+こまち」に乗って北上。
「4列座席な車内の方が在来線の旅っぽくていい」
 というわけで、秋田へ行くわけじゃないのに「こまち」の方。
 ちなみに以前ここに書いたが、会津へ行く時も郡山までなのに「つばさ」をご指名している。そちらの場合は相方が窮屈な二階建て車なので、なおさらの話。
 とはいえ速いので、通過する駅名を読んでも実感がない。
 東北に来ている、という感じを覚え始めたのは、仙台を出て雪が目に入り出してから。

 
 岩手県に入ったあたりで一面の雪景色になり、そして吹雪に。
「例によって、旅先に雪を降らせるのが得意な私」
 この時はそのぐらいにしか思わなかったのだが、先日お会いした当地の人によると、岩手県内の東北線沿いも、この冬は異例の大雪だったそうな。
 ただそれは1月末以降の話で、この時期の真っ昼間に右写真みたいな降りというのは、やはり私のせいだったらしい。
 やがて吹雪が収まり、続いて盛岡の町が近づく。
 盛岡は14:22着。目指すは青森なのだが、「こまち」だもんで当駅で車外へ。
 
 切り離しシーンを見物し、先発の「こまち」を見送るのはいいとして、後部の青森行き「はやて」も見送ってしまう。
 もちろん、後続の「はやて」の特急券が懐中に…新幹線では乗り継ぎの特急券【下写真…クリックで拡大表示】が通し料金で買える。
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 ただし、その後続は1時間後。でも私は意に介さない。
「なに、1時間ぐらい簡単につぶれるさ」
 そう踏んでいたとおり、ほどなく反対側のホームに東京行き「はやて」接近というアナウンス。
 
 なんと「はつね」になるはずだった(笑)「はやぶさ」用の新車がやってきた。
 続いて、そいつと当駅で併結する「こまち」も到着。
 
 両者が出て行くと、上下左右を見渡しながらホームをうろつく。
 重厚な感じの上屋と柱、ガラス張りの防風壁…これぞ国鉄設計の「東北新幹線のホーム」。
 
 他にも回送列車の到着だとか、見るものはボチボチあるのだが………
 寒い。
 風は遮断されていても空気自体が冷たく、体はまだしも手がどうにかなりそうだ。30分耐えてから、たまらず階段を降りて待合室兼喫茶室へ。
 ちなみに乗り継ぎ特急券の場合、新幹線改札から外へは出られないので在来線見物は不可能。
 切り離しシーンだけが目当てなら、あわただしいけど通しで「はやて」に乗った方が楽です。
 私のように真の目的がタバコ休憩なら、「はやて+こまち」の30分後に着く盛岡止まりの「やまびこ」と組み合わせる方法もございました…(苦笑)。

 
 後続の「はやて」に乗ること1時間少々で新青森。
 ここでしばし一周乗車券のルートから外れるので、途中下車扱いで改札を出る。
 あらためて在来線口へ行き、隣の青森までの切符を買う。小さな改札口の横に券売機が1台あるだけ。新幹線がなければ野中の一軒駅(?)だから仕方ないが、私みたいなのが何十人もいたら行列になってしまう(←余計な心配)。
「新青森~青森間に限り、乗車券だけで特急の普通車自由席に乗れます」
 のルールを遠慮なく行使して、函館行き「スーパー白鳥」に乗車。
 
 列車は写真手前側へと進んでいるのだが、なぜか誰一人として座席の向きを変えようとしない。
 青森で進行方向が変わるからだけれど、青森までしか乗らない私には非常にシュールな5分間だった。

 青森到着は17:02。もう「雪景色」というか「雪まみれ」である。
 
 外に出て、駅舎入口の並びにある食堂兼居酒屋で晩ご飯。
 駅前広場から見て右の端の方…名前を控えてくるの忘れた(汗
 
 イカ刺し400円。ホタテ焼き2個で300円。
 おおむね「立ち食いソバ屋<●<町の定食屋」といった価格水準で、麺類やカレーなどはヘタなファミレスより安いのだが、生のホタテがからむメニューだけが高い。
 唯一「利き酒セット」というのが700円で生ホタテを出していた。利き酒というからには日本酒だ。ビールと炭酸割り以外は後に残る体質で、味も苦手なのだが…。
 
 口に入れると見た目以上にボリューム感があって、美味。
 当地の日本酒3種類がそれぞれお猪口に2杯分ほど、小さなお椀に入ってついてくる。苦手なはずが結局飲んでしまった。
 ちなみに店内禁煙だが奥に喫煙所がある。喫煙者にとってもその方が気楽だ。

 買い物を済ませ、新青森までの切符を買って18時すぎにホームへ。
  
 上野行き「あけぼの号」がすでに入線していた。
 鉄必見な列車なのだが、電気機関車のブロアー音が大きく響くばかりで人の気配が少ない…。
 
 と思ったら向かいのホームに。ご苦労様です。
 私は機関車や編成写真よりも、青い客車が止まる昔ながらのホームがメイン。
 
 発車は18:25。当駅始発の長距離列車といえども、いまや列車を20分以上も待機させてくれるターミナル駅は希少だ。おかげで、時期柄ほぼ満席のはずなのにホームの人影は適量に収まっている。

 18時半過ぎ、やや遅れて発車した「あけぼの」を黙って見送る。
 …ええ、私の一周旅行はそんなルートじゃありません。
(というか「あけぼの」だと「東京→東京」の切符にならない)
 寒さがさらに強まり、いったん弱まった雪がふたたび増え始めたところで…
 
 本日のメインイベント、大阪行き「日本海」入線。
 写っている機関車は車両基地からの回送用で、こちらは後ろ側。先頭側は大騒ぎのはずだ。
 懐には9号車の寝台券。1号車から続くB寝台の一番後寄り。
 そして、この列車も20分ばかり止まっていてくれる。
 ただ、こちらは
「3月で定期列車としての運転は終了」
 というだけあって、ホームといえども撮影者の人影がなかなか途切れない。
 十数回シャッターを押して、比較的マシに撮れたのは以下のみ。
 
 
 
 
 発車まで撮ってばかりになるのは嫌なので、後半は眺めて雰囲気を胸に刻む。
 カウントダウンを迎えた今頃は、それすら不可能な阿鼻叫喚の人だかりになってるんだろうな…。
 
 そして、車内へ。
 デッキから客室に入って寝台に荷物を置き、通路側の腰掛けを引き出す。
 
 なんか陰気な写真になっちゃったけど、逆側にはやはり窓際に座る人々の姿と、談笑する声がある。
 途中からの乗車も含め、本日は満席とのこと。帰省からの戻りといった「普通の人」(笑)が中心で、撮影者数の割に惜別乗車のファンはまだ少数派だった。
 反対列車が遅れているとかで、定刻になっても発車しない。
 10分ほど遅れた19:40頃、「まもなく発車」の放送が繰り返されてから、ガクン、と列車は動き出す。
 倍増した撮り鉄諸兄に見送られて青森出発。ハイケンのセレナーデと呼ばれるオルゴールに続き、車内放送。
「今日は、寝台特急『日本海』をご利用いただき、ありがとうございます。発車が遅れまして申し訳ございません…」
 さっきの「あけぼの」も下りの到着待ちで遅発していた。今から走る奥羽線・羽越線は基本的に単線で、加えてこの雪だ。暮れの山陰旅行を思えば10分遅れなんて御の字である。
「まあ急ぐ旅じゃないし、これぐらいなら途中で回復するだろ」

 ゆっくりと走って、すぐ隣の新青森に停車。乗り継ぎ客が意外にいた。
 
 最寄りのデッキに車掌室があり、客室にいながら無線のやりとりが聞こえる。
「こちら4002レ車掌。運転士さんどうぞー」
「はい、こちら4002レ運転士ー」
「4002レ、発車ぁ」
 彼方から応答がわりの汽笛が聞こえ、カクン、という客車ならではの走り出し。
 
 ここから一周ルートに戻った。検札も無事に済み、そして列車は次の弘前を目指して特急らしい走りへ。雪の夜景を見ながらビールを開ける。うまい。自販機はなく車内販売も翌朝まで来ないけれど、飲み物も食料も十分に仕入れてあるし…。

 …と思いきや、二駅ほど通過したところで速度が落ち、足下を探りつつ進むような走りを続けて、やがて止まった。
「停止信号です。恐れ入りますが少々お待ち下さい」
 トンネルの中なのが落ち着かないけど、よくあることだ。
 というわけで、この間を使って「本日の駅弁」の撮影。
 
 「八戸いいとこどり弁当」(1,050円)
 なぜ青森駅で売る?と突っ込もうとしたら、八戸名物のちらし寿司に青森のホタテを足して「いいとこどり」らしい。イクラの弁当も初めてだったが、生ジャケと生鯖もおいしかった。
 
 「青森むつ湾・ほたて三昧」(900円)
 味噌焼き・照り焼き・塩バターが2枚ずつ。「ご飯のおかず」が少ないものの、下が「それだけでイケる」ような炊き込みご飯。上物をつまみにして締めにご飯を、という趣旨かも。
 …他もホタテ物がいくつもあったが、青森の駅弁屋さんにはぜひ生ホタテに挑戦してほしい。
 あと、青森駅は、改札内の施設の閉店が早い。その場合は改札前の横にある商業施設に入り、その中の売店兼土産物屋へ。

 さて、駅弁を撮り終わっても列車は動かない。
 
 この先の駅で、ポイントが凍って切り替わらなくなっているとの案内。
 時々、車掌室からあわただしい無線のやりとりが聞こえてくる。
 止まっているのは青森と津軽平野の間にある、大釈迦峠というちょっとした山越え区間だ。そりゃ雪害も他より起こりやすいだろうが…。
「ただいま係員が現地へ向かっております」
 何度目かの案内放送で、そんな情報が加わった。
「こりゃ、時間がかかるなあ…」
 向かうのが隣の駅からだとしても、何十分かかるだろう…さっき元通りにした弁当の一つを開けて食べ始め、結局2つとも食べてしまった。
 
 ただ、私は急がないから何ともない。むしろ台風を前にした子どもみたいにワクワクしている。
 そして意外にも、他の乗客も車掌室に押しかけたりせず、「まだかねえ」などと話題にしつつも席で談笑していた。
「明日仕事だとか、翌朝他の特急に乗り継ぐとかいった人は乗っていない」
 どうも、そういうことらしい。そして言い方を換えると「もはや用事で移動する人にはアテにされてない列車」ということでもあり、複雑な気分がする。
 …でもとにかく、空気が平穏なのはいいことだ。窓の外がトンネルの壁なのが少し残念だけど。

(つづく)
(なお「日本海」車中の写真はランダムイメージで、記述の時刻・区間とは無関係です)

2月のまとめ

 繰り返しになりますが、次回は4/1・神戸の「そうさく畑」に申し込んでおります。
 今日現在で「満了」「書類不備」などの知らせはありませんので、たぶん通っているんじゃないかと。

 さて、日商簿記検定、ISO認証の監査…と、勤務校で今持っている役目はどれも2月が忙しい。
 年度替わりとかコミケ前とか(笑)が多忙ならあきらめがつくのだが、俗に「泣きのニッパチ」と言うほど世間一般では暇な時期が繁忙期だというのは何とも…。
 おかげで何もない、つまらない月になった。
 ただ、約一月後にイベントを控えて本欄に長い空白を作るのも何なので、なかったなりに出来事をひねり出してみる。

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 12日。日曜出勤を半日こなした後で自宅近くにあるPioへ。
 旧友にそそのかされて「眼鏡時空」なる眼鏡キャラオンリーイベントを見てきた。
(画像はその公式チラシ&ポスター…サイトより引用)
 眼鏡キャラや「眼鏡っ娘萌え」のポピュラーさの割に、今のところは約50スペースという小規模。
 もっと流行ってしかるべきだ!と熱く思った(笑)のはもちろんだが、それよりも、意外な発見に身を震わせる羽目になった。

「眼鏡っ娘の『眼鏡』に変化が生じている」

 眼鏡っ娘キャラの眼鏡と言えば、玉の大小はあれども丸眼鏡。
 …自分自身も世間もそうだと思ってたのだが、ブースに並ぶ創作中心の「眼鏡系著作物」には、四角や超横長の眼鏡が実に多い。
 第一、イベントのチラシからして四角&横長だ。
 しかも縁(ふち)全部ないし上縁が樹脂製で太いヤツ。
 思い起こすと、それは創作だけの話じゃない。場内に漫画やゲームの眼鏡キャラを使ったクロスワードパズルがあったのだが、萌え系でも四角+太縁とかが普通にいる。
 四角眼鏡って、不細工役のアイテムじゃなかったっけか。
 横長眼鏡って、ハイジのロッテンマイヤー女史しか思いつかんかったのだが…。
 あ。
 自分の近作で続けて眼鏡っ娘を出したのだけれど、なぜかどちらの挿絵師さんも太縁や横長の眼鏡を描いてきて、それで丸眼鏡に直してもらったんだった。

「萌えが現実に追いついた、ってことか」
 生徒や卒業生を中心に現実の眼鏡キャラ(?)を思い出してみて、そう気がついた。
 正円に近い楕円を含めても、たしかに丸眼鏡って少ないよな。でも、だから必ず不細工ってことは決してないし。
 ていうか自作の挿絵でも、「つばめと彼と隼」のヒロインの方は、結局丸眼鏡じゃないままOKを出しちゃってるし…。
 結局、自分も「四角や横長」に順応している事実をこの会場で発見。
 でも、どんな眼鏡の眼鏡っ娘がお好みですかと聞かれれば(というか聞かれたのだが)、
「ま、丸眼鏡!玉の大きいのを普通に掛けてるか、でなきゃ小さいのを鼻眼鏡で!」
 これは揺るがないし、譲れない…!

 このイベント、次回は土曜夕方から開催という異例の試みをするそうです。5月26日、会場は今回と同じく蒲田のPioだとか。
「生じた迷いの答えを見つけるためには、やはりサークル参加しかないのでは…」
 なんて思ってる今日この頃。
 答え云々はさておき、この一日で私のダメ人間度が向上したことは確かだった。
 
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 14日。バレンタインデー。
 商売柄、例年義理チョコをいくばくか入手する。
 以下、今年出会った義理チョコの渡され方から秀逸なのをチョイス。

★金賞
「別に先生にあげるんじゃなくて、たくさん作りすぎて余っただけなんだから」

 台詞棒読みの上に途中で笑っちゃってたのだが、一授業担当者にすぎない私の趣向をここまで的確に把握してるとは末恐ろしい女子(おなご)。

★銀賞
「先生!はい、これ!」

 …学年集会後の人ごみの中から投げてよこさないで下さい。豆まきじゃないんだから。
 袋の中身は手が込んでいて、それだけに大事にされてるのか公園のハト扱いなのかが余計に分からない。

★銅賞
「先生、あの、今年もお世話になりました…」

 頬の赤みを強めて小声でそう言いつつ、彼女は思い切ったように、手にしていた品を私に差し出した。
 …のはいいのだが、包装がスーパーのビニール袋。
 聞けば本人は素でやった模様。大事な男の子に同じ待遇をかましていないことを祈る。
 逆に「リボン付きのかわいい紙袋で中身がチロルチョコ1個」というのもあって笑えたが、過剰包装なのでエコの視点から却下。

★グランプリ
 いきなり現れて無言同然で紙袋を押しつけるや、爆弾でも仕掛けたみたいにダッシュで退散。
 唖然としながら袋を開けると、決して上手とは言えない手作りのお菓子プラス「三年間、本当にお世話になりました」という手紙が…。
 …「刺される!」と思って一瞬身構えた私がヤボでした。

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 某日。若い友人の車に乗って千葉県は房総へ。

 いずれもJR最後の生き残りだったキハ30・37・38が近々撤退、そんな久留里線の撮り収め。来月のダイヤ改正までの命だと小耳に挟んでいる。
 葬式鉄じみた真似はしたくないものの、旅先に大雪を降らせるのが得意な私のせいで、1月なかばの当初予定が順延になってた次第。
 どれぐらい得意かは前回までの連載記事のとおりだが、それが房総半島にまで通用するとは思わなかった。

 一番の目当ては、塗色を四十年ほど前の姿に戻した3両のキハ30。塗色もそうだが、コイツには「外吊りドア」という特色もあり、それが見納めになる。
 ただし車両運用にルールはなく、会えるかどうかは運次第。
 で、三十キロ足らずの沿線を朝から行ったり来たりしたのだが、果たしてやって来るのは他の形式ばかり。
 やがて線内にいるのが日中のダイヤをこなす2編成だけになり、その中に目当てが組み込まれていないのを把握。
「運がなかったね。さよならキハ30」
 …以降は、気軽なドライブになった。
 田んぼの真ん中を走るロケーションが多いので、ただ走ったり散歩したりしてても気分はいいし、そして撮影場所に困らない。




 そんな中で、馬来田の木造駅舎をのんびり撮ったり、普段なら選ばない場所やアングルであえて狙ってみたり、車を止めた道端でおばあさん達と話し込んだり…とさまざまに遊んだ。
 それにしても来月で終わりだというのに、同趣味の方々が群がるどころか誰一人として見かけない。とても不思議だったけれど、邪魔が入らないのはいいことだ。

 …そんな半日を過ごして、あっという間に昼下がり。
 よさげなカーブなのに、カーブ内側のど真ん中に立派な墓が…という場所で「いかに墓を写さずに撮るか」に挑戦すべく列車を待ってたら、あきらめていた朱色とクリームのツートンカラーが。

 行ったり来たりの片方が、まさかの車両交換。
 本当は2両とも同色という方が美しいのだが、まさかの車両交換がもう一度あるとは思えない。
 それに、なんとなく満足してしまった。車両数には余裕があり、キハ30が一両も出てこなくても不思議はなかったのだ。
「もう、行こうか。帰りに何か、うまいものでも食べたいなあ」
 友人もうなずく。彼は列車がカーブを曲がり切るまで引きつけ、うまくキハ30だけを絵にしていたので、私以上に満足なはずだ。
 少しだけ留まり、今の列車の戻りを後ろから撮ってから、あっさり帰路につく。
 馬来田の駅舎がよかったので、もう一度寄ってブラブラ。外の日がみるみる傾くのを感じながら、木枠の窓口を眺める。
 と、外に列車が入ってくる音…。

 まさかのもう一度が、あったらしい。しかも2両お揃い。


 これが外吊りドア。久しぶりだが、むき出しの自動ドアが動く様はやっぱり不思議。
 そして何より、いつ見ても懐かしい気分になる、古びた田舎駅の乗降風景と旧車との組み合わせ。
 名だたる旧車ながら、通勤用ゆえ車内はロングシート…そのせいで乗る気がいまいち起こらず、今回の撮影行が最初で最後と思っていたのだが、この眺めを見るや、乗りに来なかったことを後悔した。
「残念なことしたけど、でも、とにかく会えてよかった。ありがとう」
 それが、私とキハ30の別れだった。

 …となるはずが、小耳に挟んでいた情報に間違いがあり、他の2形式ともども、この秋口まで久留里線の主役を務めるとのこと。
 なあんだ。道理で誰もいないわけだよ…。
 でもおかげで、あらためて乗りに行く猶予ができた。駅でもいい写真が撮れるので、他の趣味者の皆さんもぜひ乗り鉄で。
 なんといっても途中にある町・久留里はちょっとした酒どころ。
 そして「帰りに何かうまいものでも」と書いたが、当地名物という意味のそうした物は車からは見あたらず、こちらも始発駅・木更津においしい駅弁があるらしい。

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 …なんだ。何もなかったって言ったけど、結構いろいろ楽しんでたなあ。
 むしろ精選してこの数で、そうさく畑までにあと一回ぐらいは、イベント予告以外の記事も一緒に載せられそうです。お楽しみに。

山陰雪中取材行・最終回

 申し遅れましたが次のイベント参加は、4/1・神戸の「そうさく畑」になります。
 これから申込ですが、多分スペースは取れるかと。
 ラインナップは冬コミと同じになる予定ですが、関西の皆さんお楽しみに。

 そして次の旅行はきっと、夏休みまで不可能………………。

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 さて、最終日は帰るだけの旅。
 ようやく晴れた米子の街に名残を告げながら、駅へ。時刻どおりに列車が動いてるらしいことに感激。

 米子発9:50。前日の松江行きでも使った「スーパーまつかぜ」で、昨日とは逆に鳥取方面へ。
 
 倉吉までは海が見え隠れ。反対側は平野の向こうに山々。
 前々回のトップに載せた伯耆大山も、この列車の車窓から撮影。

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 運転席のすぐ前まで座席があり、窓から最高速度120km/hの前面展望が。
 鳥取側の前1両が自由席なので、上り列車だとより安価にこの眺めを楽しめる。

 ここで前回お約束した、切符の話。
 ファイル 48-3.jpg
 "周遊きっぷ"の「ゾーン券」(山陰ゾーン)。
 クリックすると拡大表示されるのでご覧いただきたいが、5,300円でこの区間が、特急自由席を含めて5日間乗り放題。
 これが「特急に乗って××分」などと気軽に書いてたカラクリ。

 ただ、この券だけを単体で買うことはできない(買えても5,300円もするんじゃ…)。
 以下の2枚(クリックにて拡大表示)を一緒に買う必要があるのだが、そのおかげでゾーン券がもっと割安になる。
 ファイル 48-4.jpg
 ↑出発地からゾーン入口(ゾーン券の写真の◎の駅のどれか)までの「ゆき券」。
 今回は、東京→東海道線・山陽線→岡山から伯備線で北上して入口駅:根雨(「サンライズ出雲」のルート)。
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 ↑ゾーン出口(同じく)から元の出発地までの「かえり券」。
 今回は、出口駅:鳥取→因美線・智頭急行線・山陽線で姫路→東海道・山陽新幹線で東京(「スーパーはくと」+新幹線のルート)。
 これをたどるべく、今「まつかぜ」で鳥取を目指している。

 どちらも普通乗車券と同様に自分で行先やルートを言って買うのだが、この両者が普通運賃より2割引になる(学割だと3割引)。
 今回は往復あわせて四千数百円の割引を受けており、つまりゾーン内を千円分ほど乗ればゾーン券の元は取れる。
 昨日の米子~松江は運賃480円・自由席特急料金730円。一昨日の米子~根雨は運賃570円・自由席特急料金730円…千円分乗るなんて簡単だ。
 元が取れれば、東京から米子や松江までの普通乗車券と比較してもほぼ均衡する。それでいて乗り放題がついてくる。
 ちなみに往復の特急料金には割引はないが、料金も合わせて飛行機と比較しても、「米子便往復+空港~市内のバス」と約3千円差だった。

 この「周遊きっぷ」、山陰の他にも各地に31のゾーンがある(詳細は時刻表を参照…どのみち時刻表を見ないと買いづらいので)。
 出発地~入口・出口が200km超なら全国どこからでも買えるが、上述のような割安感を得るには600km超はほしい。
 発売されない期間もないし、ゆき券・かえり券は途中下車も可能。
 制約らしい制約は、以下の点ぐらいだろうか。
★使用開始後はゆき券・かえり券ともルート変更不可
★ゆき券・かえり券のルート指定が初心者にはやや難しそう
 ただ後者については、「サンライズで行く」「スーパーはくとで帰ってくる」という風に、乗る列車を挙げれば伝わる。メモにして渡せばなおよし。
 また出発当日でも買えるが、窓口に並んでやや手間のかかる切符を買うことになるので、前日までに買っておくべし。

 
 …さて、およそ100kmの道のりを1時間ちょいで走破して、鳥取着。
 昨日の松江駅のコピペみたいな高架駅。高架下もコピペみたいな造りで、食事も買い物も選択の余地があるほどに可能。

 
 普通列車で3駅ほど後戻りして、往復小一時間の小さな旅へ。
 倉吉~鳥取は以西よりも山の緑が近づく。各駅停車だと2時間半かかる米子~鳥取だが、行き違いや通過待ちで何本もの列車と出会え、退屈は少ない。

 
 鳥取に戻ってお茶を飲み、弁当を買って、12:54発の「スーパーはくと」に(写真は別の機会に始発駅:倉吉で撮ったもの)。
 南下して山陽線に出た後は、在来線を京都まで走る気動車特急。鳥取~京都は3時間。

 
 先頭の形から想像できるとおり、こいつも前面展望がきく。そして、やはり「ぶっ飛ばす」という形容が似合う速さ。
 この上り先頭は指定席だが、反対の先頭は自由席。

 新幹線との乗り継ぎは姫路を勧められるが、京都にすると特急料金の乗継割引が最大になる。舞子の海や明石海峡大橋もきれいだし。
 が、今回の帰りはやや急ぐ旅なので、姫路で14:23に降車。
 姫路停車の「のぞみ」と20分足らずの接続だが、広かった構内は高架化でコンパクトになっていて、名物・駅そばを食べても余裕。

 ここで恒例「本日の駅弁より」。
 
 鳥取駅「山陰鳥取かにめし」(1,100円・冬季のみ)。カニの駅弁はちらし寿司が多い中、酢飯ではなくカニのダシで炊いたご飯。
 ほか、巨大な椎茸を一杯に敷いた「素晴ら椎茸」(1,000円)も気になったが、これは冬じゃない時期に。
 一方、「今日の晩ご飯」は自宅だったので割愛…魚でも買って送っとけばよかったんだと今頃気づくも遅し(笑)。

 ちなみに現地の宿は、米子郊外・弓ヶ浜の付け根にある皆生温泉。
 海の眺めも温泉もよく、それでいて駅までは毎時2~3本のバスで約15分と便利。そしてこのバスも周遊きっぷの「ゾーン」に入っている。
 宿は一泊3,000円より(共同浴場つきビジネスホテル)。筆者は、総額6,000円で清潔な洋室&眺めのいい大浴場が得られる費用対効果抜群のホテルを重用。

 …18時前、東京駅に到着。
 行きにサンライズが7時間半かけた区間を、あっけなく4時間で走破。帰ってきた感が半分ぐらいしかしない中、都内某所へ…。
 、
 この新刊(クリックで作品紹介がポップアップします)を製本所から引き取ってきた。現地に行ってる間に、その土地のことを書いてる本が完成してるというオチ。
 帰ってきた今あらためて開いてみると、かの地の良さをいくらも書けていないと気づく。
 でも半面、だからこそ行ってよかったとも思った。
 感激と羨望を新たにしたところで、次はもっと楽しく美しく「伯耆・出雲発の物語」を書いてみたい。

(おしまい)

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