「 南 の 町 で 」
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太平洋に面した南国へ出張に来たものの、上司や大先輩の相手で外出もできなかった「私」。
しかし帰る日になって突然、自由時間がやってきた。私は勇んで列車に乗り込み、絶景の名所だという青島海岸を目指す。が、さびれた駅前に名所の面影はなく、空は灰色に曇り始めていた。
「青島は、どっち」
聞いてきたのは、よそ行きの服を着てツンと澄ました、十二、三の女の子。そこへ行くところなので並んで歩くが、うらぶれた町並みは、友達とお出かけか初デートといった風に着飾った少女の行先として不自然だった。
しかし何を聞いても彼女は黙殺したり、「私の勝手でしょ」などと憎まれ口をきいたり………ちょっとひねくれた小さな旅を、これまたひさびさの女性一人称でお送りします。
今回はこのショボい一編だけなのですが、かわりに超お手頃価格:100円(つまり「アンケート100円引」の方はタダ!…涙)。
挿絵は、『大雨おんな』以来三年ぶりに由雛さん登場です。