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山陰雪中取材行・最終回

 申し遅れましたが次のイベント参加は、4/1・神戸の「そうさく畑」になります。
 これから申込ですが、多分スペースは取れるかと。
 ラインナップは冬コミと同じになる予定ですが、関西の皆さんお楽しみに。

 そして次の旅行はきっと、夏休みまで不可能………………。

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 ファイル 48-1.jpg
 さて、最終日は帰るだけの旅。
 ようやく晴れた米子の街に名残を告げながら、駅へ。時刻どおりに列車が動いてるらしいことに感激。

 米子発9:50。前日の松江行きでも使った「スーパーまつかぜ」で、昨日とは逆に鳥取方面へ。
 
 倉吉までは海が見え隠れ。反対側は平野の向こうに山々。
 前々回のトップに載せた伯耆大山も、この列車の車窓から撮影。

 ファイル 48-2.jpg
 運転席のすぐ前まで座席があり、窓から最高速度120km/hの前面展望が。
 鳥取側の前1両が自由席なので、上り列車だとより安価にこの眺めを楽しめる。

 ここで前回お約束した、切符の話。
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 "周遊きっぷ"の「ゾーン券」(山陰ゾーン)。
 クリックすると拡大表示されるのでご覧いただきたいが、5,300円でこの区間が、特急自由席を含めて5日間乗り放題。
 これが「特急に乗って××分」などと気軽に書いてたカラクリ。

 ただ、この券だけを単体で買うことはできない(買えても5,300円もするんじゃ…)。
 以下の2枚(クリックにて拡大表示)を一緒に買う必要があるのだが、そのおかげでゾーン券がもっと割安になる。
 ファイル 48-4.jpg
 ↑出発地からゾーン入口(ゾーン券の写真の◎の駅のどれか)までの「ゆき券」。
 今回は、東京→東海道線・山陽線→岡山から伯備線で北上して入口駅:根雨(「サンライズ出雲」のルート)。
 ファイル 48-5.jpg
 ↑ゾーン出口(同じく)から元の出発地までの「かえり券」。
 今回は、出口駅:鳥取→因美線・智頭急行線・山陽線で姫路→東海道・山陽新幹線で東京(「スーパーはくと」+新幹線のルート)。
 これをたどるべく、今「まつかぜ」で鳥取を目指している。

 どちらも普通乗車券と同様に自分で行先やルートを言って買うのだが、この両者が普通運賃より2割引になる(学割だと3割引)。
 今回は往復あわせて四千数百円の割引を受けており、つまりゾーン内を千円分ほど乗ればゾーン券の元は取れる。
 昨日の米子~松江は運賃480円・自由席特急料金730円。一昨日の米子~根雨は運賃570円・自由席特急料金730円…千円分乗るなんて簡単だ。
 元が取れれば、東京から米子や松江までの普通乗車券と比較してもほぼ均衡する。それでいて乗り放題がついてくる。
 ちなみに往復の特急料金には割引はないが、料金も合わせて飛行機と比較しても、「米子便往復+空港~市内のバス」と約3千円差だった。

 この「周遊きっぷ」、山陰の他にも各地に31のゾーンがある(詳細は時刻表を参照…どのみち時刻表を見ないと買いづらいので)。
 出発地~入口・出口が200km超なら全国どこからでも買えるが、上述のような割安感を得るには600km超はほしい。
 発売されない期間もないし、ゆき券・かえり券は途中下車も可能。
 制約らしい制約は、以下の点ぐらいだろうか。
★使用開始後はゆき券・かえり券ともルート変更不可
★ゆき券・かえり券のルート指定が初心者にはやや難しそう
 ただ後者については、「サンライズで行く」「スーパーはくとで帰ってくる」という風に、乗る列車を挙げれば伝わる。メモにして渡せばなおよし。
 また出発当日でも買えるが、窓口に並んでやや手間のかかる切符を買うことになるので、前日までに買っておくべし。

 
 …さて、およそ100kmの道のりを1時間ちょいで走破して、鳥取着。
 昨日の松江駅のコピペみたいな高架駅。高架下もコピペみたいな造りで、食事も買い物も選択の余地があるほどに可能。

 
 普通列車で3駅ほど後戻りして、往復小一時間の小さな旅へ。
 倉吉~鳥取は以西よりも山の緑が近づく。各駅停車だと2時間半かかる米子~鳥取だが、行き違いや通過待ちで何本もの列車と出会え、退屈は少ない。

 
 鳥取に戻ってお茶を飲み、弁当を買って、12:54発の「スーパーはくと」に(写真は別の機会に始発駅:倉吉で撮ったもの)。
 南下して山陽線に出た後は、在来線を京都まで走る気動車特急。鳥取~京都は3時間。

 
 先頭の形から想像できるとおり、こいつも前面展望がきく。そして、やはり「ぶっ飛ばす」という形容が似合う速さ。
 この上り先頭は指定席だが、反対の先頭は自由席。

 新幹線との乗り継ぎは姫路を勧められるが、京都にすると特急料金の乗継割引が最大になる。舞子の海や明石海峡大橋もきれいだし。
 が、今回の帰りはやや急ぐ旅なので、姫路で14:23に降車。
 姫路停車の「のぞみ」と20分足らずの接続だが、広かった構内は高架化でコンパクトになっていて、名物・駅そばを食べても余裕。

 ここで恒例「本日の駅弁より」。
 
 鳥取駅「山陰鳥取かにめし」(1,100円・冬季のみ)。カニの駅弁はちらし寿司が多い中、酢飯ではなくカニのダシで炊いたご飯。
 ほか、巨大な椎茸を一杯に敷いた「素晴ら椎茸」(1,000円)も気になったが、これは冬じゃない時期に。
 一方、「今日の晩ご飯」は自宅だったので割愛…魚でも買って送っとけばよかったんだと今頃気づくも遅し(笑)。

 ちなみに現地の宿は、米子郊外・弓ヶ浜の付け根にある皆生温泉。
 海の眺めも温泉もよく、それでいて駅までは毎時2~3本のバスで約15分と便利。そしてこのバスも周遊きっぷの「ゾーン」に入っている。
 宿は一泊3,000円より(共同浴場つきビジネスホテル)。筆者は、総額6,000円で清潔な洋室&眺めのいい大浴場が得られる費用対効果抜群のホテルを重用。

 …18時前、東京駅に到着。
 行きにサンライズが7時間半かけた区間を、あっけなく4時間で走破。帰ってきた感が半分ぐらいしかしない中、都内某所へ…。
 、
 この新刊(クリックで作品紹介がポップアップします)を製本所から引き取ってきた。現地に行ってる間に、その土地のことを書いてる本が完成してるというオチ。
 帰ってきた今あらためて開いてみると、かの地の良さをいくらも書けていないと気づく。
 でも半面、だからこそ行ってよかったとも思った。
 感激と羨望を新たにしたところで、次はもっと楽しく美しく「伯耆・出雲発の物語」を書いてみたい。

(おしまい)

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