'09冬コミ新刊・'10夏コミで再版
久しぶりの、ツンデレ少女とゆく旅。

 短編 「 南 の 町 で 」
表紙画:由井ひな子

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読者からのご感想

 太平洋に面した南国へ出張した「私」。上司や先輩方の相手に忙殺される日々だったが、最終日に突然、自分だけの自由時間がやってきた。私は勇んで列車に乗り込み、絶景の名所だという青島海岸を目指す。
 しかし、さびれ果てた駅前に名所の面影はまるでなく、しかも空は灰色に曇り始めていた。
「青島は、どっち」
 聞いてきたのは、よそ行きの服を着てツンと澄ました、小学五年生ぐらいの女の子。教えるかわりに連れて歩くも、くたびれた土産物屋が暇を持てあます町は着飾った少女の行先として不自然だった。
 だが何を聞いても彼女は黙殺したり「私の勝手でしょ」などと憎まれ口をきいたり…でも、そのくせ少女はぴたりと私についてくる。
 曇り空の下の「名所」で、果たして何が彼女を、そして私を待っているのか。
 謎の少女とゆく小さな旅を、これまたひさびさの女性一人称でお送りします。



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