読者からの作品紹介(ご感想)

「かえりみち」編

最終更新・11/01/16

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 不精が災いして、売り切れてから感想コーナーが立ち上がるという羽目に。すみません(汗。
 あと少し要望が届けば再版もあり得ますので、「買おうかな」と思ってここを覗いた皆様、その際はぜひ。

 表題作『かえりみち』は浦上先生に人気が集まり、話の間延びや簿記のところの説明不足を補ってくれました。メインに位置付けたくせに実質10日ぐらいで書き殴っており、戦々恐々だったのですが(笑)。
 そしてもう片方の『もしかしたら』。いつもと真逆な感じのヒロインが拒絶されて読まれない、という不安があったものの、それはそれで喜んでいただいて中身に進んで下さり、何よりです。
 それでは、内容をどうぞ。


『もしかしたら』…ヒロインについて

いわゆる「女子高生」タイプの女は好きじゃないのですが、前半は笑いとテンポで、そして後半は、実は内気で臆病な女の子だったとこにひかれて、優香は好きです。 【20代・男】

ギャル系だろうと大人っぽい姉ちゃんだろうと、結局田島作品の女は不器用な恥ずかしがり屋さん。
いやまあ、そこがいいんですが。 【男】

清楚なマドンナ役のはずの真穂が逆に冷たく見える展開…まあ、そんなもんですけどね(笑) 【20代・女】

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 地味な子や眼鏡っ娘じゃない「女子高生」でも、実際はどこかしら、かわいいところはあるものです。
 半面、最後の方の「まあ、そんなもんですけどね」は、なかなか鋭い…清純派好みや文学少女萌えとか、そっち系の諸兄はご用心を。
 …失礼、夢を壊しました(笑)。私も個人的な趣味は、あくまでもそっち系です。


『もしかしたら』…筋書き・鉄・その他について

一気に読んじゃいました。
最初の方の掛け合いが笑えました。特に制服のとこ。 【関東・女】

謎解きの部分が、正直ちょっと分かりにくい。
押し入れから懐かしい女の子が出てきて(田島注・ネタバレにつき中略)…ていうので十分楽しめましたが。
普通「エッチっぽい展開→そこで場面転換」っていうのは萎え要素ですが、田島さんのはその先の想像が勝手に迫ってきて、足りないモノが十分補給されます。 【関東・男】

羽越本線のたぶん鶴岡〜酒田のどこかで、それ以上は分かりません。
が、あの付近の田んぼのまっただ中の駅で帰りの列車を待つって青春はいいですね。 【ななしの・男】

パンタグラフの火花で優香の怖い顔が浮かび上がる・・・目に浮かびました。 【男】

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 それぞれの楽しみ方をしていただき、ありがとうございました。書いた人間が深く意図しなかったものも中にはあって、「なるほど」と思わされます。
 謎解きの部分はたしかに、もう少し短くパッと説明する必要がありそうですね。精進します。
 舞台の駅は東酒田です。作中にあるとおり、今はすぐ近くを高速道路が横切ってしまってますが、「見渡す限りの田んぼの中にある駅」という雰囲気はまだまだ味わえますよ。
 新設校の立地としても、その前に地方の財政状況からして全くの新設校舎というのが現実的じゃないのですが、どうしてもこの通りの話をここ舞台で書きたくて…。


『かえりみち』…浦上先生について

Sっ気たっぷりの美しいお姉様、大好きです!(笑) 【女】

実はレトロな喫茶店のお姉さん、しかもゴスロリ。
こんな場所でこんな先生に補習を受けてみたい(変な意味じゃなくてw) 【20代・男】

たとえば、厳しくしといてクッキーをそっと出してくるとこ。
こういうツンデレが毎回楽しみです 【関東・女】

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 本作までの2年ぐらいの間ゴスロリ・ツンデレが続いたので、「ええかげんにせえ」と言われるかと思っていましたが…。
 度合いやパーソナリティは毎回違う、と分かってもらえるだけの描写力はあるようで、ホッとしてます(笑)。
 ちなみに、私のこの傾向に火を点けたのは挿絵の緋莽さんです(おい)。


『かえりみち』…筋書きや他のキャラについて

(『もしかしたら』とあわせて田島に)「女子高生遣い」のレッテルを貼ってしまった。 【男】

じじい・・・いえ、山中先生いい感じですね。
ぼんやりしたチカとの会話、ほのぼのしちゃいます。 【女】

おじいちゃん先生と浦上先生の掛け合いが何とも言えず。
時代錯誤ネタも面白いですが、ちょっと取って付けた感じがしてオチの面白さを少なくしてます。 【関東・男】

 初級簿記をネタに盛り込むのは無理がある、とは言いませんが、この書き方ではまだ全くの門外漢には分かりづらいと思います。分かりやすくまとめた図説を載せたりもなさっていますが、その場で読み手にツールとして使ってもらうには、もう一工夫ほしいです。
 ただし簿記の部分が分からなくても、「チカと先生は何かの勉強をしているんだな」という理解で読んでいけば済むように作られています。そこは非常に謙虚で親切ですね。
 とにかく、この大正浪漫な喫茶店と個性的な二人の先生は、それぞれに大好きです。だからこそ、次の機会ではもっとそこのところを。 【男】

浦上(先生)、三村(チカ)、山中(先生)…さりげに備前や播磨の戦国歴史絵巻になってるとこが(笑)。 【大阪・女】

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 一番上の「女子高生遣い」は、教え子がブースに遊びに来てたことも指しているんでしょうが(笑)。
 商売柄、高校生は一番身近で、問題意識を感じたり成長に感激したりして「書きたい」と思うことが一番多い対象です。本当は男女半々にしたいのですが、思いつく話や世界の八割方が、女の子に託した方が違和感なく書ける中身なので…。
 「おじいちゃん先生」のキャラクター、そしてチカや浦上先生との暖かなかかわりを楽しんでいただけて、何よりです。
 時代錯誤ネタの出し方、それに簿記については、読み返すほどにその通りです。特に「簿記を一発で分かりやすく」というのは本業の方の修行不足でもありますので、精進します。
 最後の「戦国歴史絵巻」の方、驚きました。相当コアな歴女でいらっしゃる(笑)。


『かえりみち』…鉄的な部分について

山陽本線の三石だ!と分かり、今度18きっぷで降りてみたくなりました。
喫茶店は架空でしょうけど、読んでみるとあの町は気になります。
有川浩さんの「阪急電車」に通じる鉄道文学、とても楽しみです。 【乗り鉄&アニメ+文学ファン・男】

18きっぷシーズンに岡姫間(田島注・山陽線の岡山〜姫路間)で足止めを食った経験がありますが、
冒頭の運転打ち切り騒ぎのシーン、臨場感あります。
少し前に伝説になってた、
「新幹線で振り替えしろゴルァ!」
と初心者の18きっぷ利用客がゴネるシーンなんかがあったらもっと面白かった。 【男】

車掌が出てきてチカと話すシーンがあるのは、さすがです。
でも各駅に人がいて、しかも運転取扱をしてる区間ですから、駅員も出してほしかったですね。 【ななしの・男】

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 ご明察。東海道線・山陽線で最も本数が少ない区間、俗に言う「岡姫」の三石です。
 ただ、書くにあたって再訪しましたが、五、六年前に比べると18きっぷシーズンの混雑もおとなしくなりましたね…臨時になった「ムーンライトながら」に大垣で接続している列車は相変わらず激しい、ということを期待して、少し前に見た混雑を再現してみました。
 運転扱いをする駅員は私もぜひ盛り込みたかったのですが、筋書きとの関係でこじつけにしかならず、泣く泣くカット。
 名だたる区間だけに、やはり詳しい方はぐっと多いようで…書くのに緊張しますが、うれしいです。




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