2010冬コミ新刊
短編「のぼり坂」 挿絵:岡崎シゲルせあら
すべてを捨てて帰る道で出会った、友達をめぐるミステリー

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 部活と生徒会に熱中してたはずの「私」は、それらを一切やめるつもりで活動をサボって、早々と帰りの電車に乗っていた。
「あれ?果歩ちゃん…」
 少し離れた場所に、意外な友達の姿を私は見つけた。
 小柄でお人形さんみたいな彼女は学年中の女子たちのアイドルなのと同時に、名門吹奏楽部のパートリーダーとして、早朝から夜まで懸命に活動しているはずだった。
「それがなんで、こんな早い時間に…?」
 と思ったけど、私は果歩ちゃんの家がどこだか知らない。だから果歩ちゃんが帰るところだとは決まってないし、放心したような目で遠くを見る彼女を見ていると、家とは違う遠い場所を目指してるように思えてくる。
 不安になった私は声をかけられないまま、ひそかに果歩ちゃんの行方を追うことにした。
 いったい彼女はどこへ行くのか。そして、いったい何があったのか…。

 秋の夕暮れ。瀬戸内海が見える山陽線沿いを舞台にした友情ミステリー。



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