◆「北陸フリーきっぷ」と行程
東京基準で申し訳ないが、ともあれ東京付近からだとこの様な切符がある。
「往復の運賃・料金」+「フリー区間乗り放題(特急の自由席も可)」がついて、21,400円。フリー区間は画像の券面を参照してほしい(クリックで拡大)。
新幹線+特急で普通に東京〜富山を往復すると23,200円するから、行って帰ってくるだけで既に割安だ。
また、フリー区間で特急に乗れるのも大きい。現地は東京や大阪、新潟へ向けた「特急街道」で、普通列車の本数は特急の半分程度しかない。さらに、その特急はガチンコの高速運転をしていて、たとえば富山〜金沢であれば、普通で一時間あまりかかるところを三十分台にまで縮めてくれる。
制約といえば、フリー区間以外で途中下車ができないぐらい(変更や払い戻しにも制限あり)だろうか。一方、事前予約すれば、現地の「駅レンタカー」を割引料金で利用できる。
往復の列車は、この切符を窓口で示せば指定券を発行してくれる。一番メジャーなものは上越新幹線+特急「はくたか」の普通車だが、寝台特急「北陸」のB寝台(個室含む)、夜行急行「能登」の普通車も乗車可能。「北陸」「能登」は金沢行き、新幹線+「はくたか」は越後湯沢乗り換えで金沢まで行ける。
わざわざ「普通車」「B寝台」と断っているのは、グリーン車・A寝台は追加料金を払っても乗れないからだ。「北陸フリーきっぷ・グリーン車」というのが別にある。
本文にある様に、往復の片方を「北陸」にするのが面白いし、また夜行で出入りすれば現地での時間が増える。ただ、旅行趣味の有無にかかわらず同じことを考える人は多い様で、五日前に窓口へ行ったら全て満席ということが過去にあった。個室のB寝台は十日前で埋まっていることもある。
なお指定券は1回だけ変更可能だが、これまた本文に出てきた通り「はくたか」も当日だと満席の場合がある。もちろん自由席に乗るのは勝手だし、田舎だと指定満席・自由ガラガラという間抜けな事態が時々あるが、日曜夕方上りの「はくたか」に限って言えば、指定席が満席なら自由席はそれ相応に混む。
いずれにしろ、よく考えて、かつ早めの予約を。
◆弁当……「ぶりのすし」をお試しあれ
北陸・富山といえば「ますのすし」だが、その仲間に「ぶりのすし」がいる(パッケージはこちら)。
どちらも直径二十センチ以上の大きい弁当だが、「ぶり」の方は、どうした訳か四季を通じて脂がのっており、分量以上に食べた感じがする(ちなみに真っ白の部分はカブ)。値段も1,300円と「ますのすし」より三百円安い。
なお、「そんなに食べられない」「それでも高い」という向きにはこういうサイズが750円で売っている。
以上は「ますのすし」ともども、富山・高岡の駅舎やホームで買える。
さらに、富山駅の改札脇では、三角寿司というのがある。フルサイズの「ますのすし」「ぶりのすし」を八つ切りにした様なのを、コンビニのおむすび状に包装して並べており、他に甘エビや鯛もある。
富山駅といえば駅舎の三階が食堂街になっているが、そこに居酒屋兼食堂といった風の店がある。
行けば分かるが観光向けの高級店では決してなく、土地の海産物が常識的な値段で出ている。たとえば左は甘エビのテンプラだが、これだけあって確か六百円ぐらいだった(驚きのあまりレシートをもらい忘れた)。
帰りの列車を待つのも富山がいい。
◆宿や温泉……松任海浜温泉
温泉はあっても、手軽な日帰り温泉や、安価な温泉宿というのは少ない一帯である。
その中で、本文にある通り、松任の海沿いにその両方を見つけたので、今回利用した。
二つあわせて「松任海浜温泉」と総称している公的な施設で、海浜公園という静かな場所の一角にある。どちらも新しめの清潔な施設。
日帰り温泉の方は「松任C.C.Z温泉」という。うまくまとめた記事があったので、こちらに引いておいた。
宿泊施設は「シーサイド松任」で、資料はこちら(宿泊予約サイトから引用)。一泊朝食付き5,604円+入湯税で、この値段で一人から利用できる。大雑把な料金体系でありがたい。
問題は交通で、松任(駅前ではなく近くの十字路にある「松任」というバス停)からバスがあるものの、温泉まで行くのは10時台に一往復しかない。
駅から温泉まで、どうショートカットしても道のりで八キロほどあり、タクシーはいい値段がするだろう。
手前の「千代野ニュータウン」というところまでなら朝から夕方まで毎時二本あり、ここなら温泉まで二キロぐらい。ここにタクシーを呼び寄せておくのが次善の策だろうか。
バスについては北陸鉄道のサイトに路線図・時刻表がある。なお、日帰り温泉と宿泊施設は数百メートル離れていて、車で直接乗りつける場合は道順が異なるので、タクシーを使う場合は注意。
なお、ビジネスホテルでいいから駅近くで、という向きには、金沢より富山で探すのをお勧めする。駅から徒歩数分圏内で、大きめの施設を四千円から確保できる。金沢は街が大きい分だけ相対的に割高になる。
ちなみに今回は車で移動したものの、本文に出てくる二つの撮影地は、加賀笠間駅・倶利伽羅駅からそれぞれ徒歩圏内にある。いずれも駅を出たら、線路を意識しつつ西へ向かう。